橋本ミチ子さんに聞く「プレイリーダーとは?」
YPCネットワーク理事長の橋本ミチ子さんに、プレイパークがどんな場所なのか、プレイリーダーの仕事やその後のキャリアなどについて聞きました。
プレイリーダーに求められる役割とはなんですか?
一番は、子どもと遊べること。遊びも、「さぁいらっしゃいみんな並んで!」って、枠にはめた遊び方じゃなく、そこにあるものから新たな遊びをどんどん生みだしていけるプレイリーダーが良いと私は思うなぁ。 遊びに使うための竹切りにいくときなんかも、「さぁ、竹林にいってかぐや姫を探すぞ!」みたいに、子どものワクワクした遊び心を引き出せること。それで、子どもがここに来たらすごく楽しいな、って思ってくれればいい。それも、自然の中で遊ぶことを体験してほしい。 それは、人間は自然の中で生きてきた動物だから、自然の中で生きていくのが理想だと思っているから。
子どもにとってのプレイパークってなんですか?
色々な人に見守られながら育つ所。プレイパークは公園での活動がほとんどだけれども、公園で遊んでいると色々な人の目に触れる。すると子どもは色々な人に声をかけてもらえる。それは存在を承認してもらえることになる。うれしいよね、それって。 黙って見て見ぬふりをされたら悲しい。今の社会ではそういった場面が多いよね。 できるだけ多世代の人間関係の中で育つことが子どもにとって必要だと思っている。
プレイリーダーの仕事とは?
お金をもらう仕事という意味では、対象が子ども専門の大道芸人みたいなもの。プレイリーダーは、子どもが楽しくなる大道芸人。そのお金は行政(税金)が負担する。子どもが楽しくなるには、子どもと同じ目線で話せて、遊べることが必要。 子どものやりたいことに、大人が「それはちょっと」となるところで、「いや、やりたいんだもんねぇ?」と言えて、それができるように大人の理解を得らえるように、子ども側になって発信できる。プレイリーダーにはそんなところが必要だと思う。
プレイリーダーのその後のキャリアについて
私はプレイリーダーを経験した人には、学校の先生、障害児の発達に関わる仕事、児童相談所など、子どもに関わる仕事についてほしいと思っている。プレイリーダーを経験すると子どもの気持ちがよくわかるようになるでしょ。そういう人が子どもの側で成長を支えてほしいな。
子どもたちの昔と今
今はいい子が多いよね。言うことをきかない、ハチャメチャな子が少なくなった。その代わり目立つのが発達に課題がある子。それと、幼い頃から親にきちんとしつけられてきたのか、場の空気を読んで自己主張しない子が多い。 その分、枠が外れたときに、動ける子と、全然動けない子といる。現場でみていると、本当にやりたいことをやっていく子と、ただ枠を外したい(壊したい)という子がいると思う。やりたいことがあって、そのために枠から外れる子と、やりたいことがあるんじゃなくて、ただ反抗したい。わざと目立つことをやりたい。そんな子が増えていると思う。 ほとんどの子はいい子。大人の枠の中にいる、言うことをきくいい子。面白くない。
未来のプレイリーダーへ一言
プレイリーダーってすごく楽しい仕事だけど、すごく辛い仕事でもある。精神的に。
例えば、子どもから色んなことを相談されるじゃない。プレイパークの遊びのことだけではないことを相談されるわけ。それにプレイリーダーは応えられない。 堪えられないようなことを相談される。「すごく悩んでいるんだ」と。 それにどこまで寄り添うか葛藤する。難しいけれど、でもそこに大事なことがあるんだよね。
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