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プレイリーダーのやりがい~ひるの場合

先日、日本冒険遊び場づくり協会主催「冒険遊び場・プレーパークで働く仕事説明会」が開かれ、「今働いている人」としてプレイリーダーのひるがトークセッションに参加しました。

そこで語られた、プレイリーダーのやりがい、プレイリーダーという仕事への思いをお伝えします。

私はプレイパークに関わってから、 「遊ぶ」って、どういう状態のことなんだろう? と、考えることがよくありました。 プレイリーダーを始めて4年目くらいの時に、 「遊ぶっていうのは、自分で感じて、考えて、表現する、この過程のことだ」 と思うようになりました。

ちょっと詳しく言うと、 「感じる」も「考える」も「表現する」も、 「感じてそこから考える」も「感じてそこから考えて表現する」も「感じて表現する」も、 自分で感じることから始まっているなら、全部、遊んでいる状態だ、 と思うようになったのです。

もうちょっと詳しく言うと、 「感じる」は、あったかい、痛いなど五感で感じられるものや、

楽しい、悲しいなどの感情のこと。 自分で感じられるもの全て。 「考える」は、「どうしようかな〜」とか「どうしたらもっと楽しくなるかな〜」とか… 何かを感じた後に考えていること全て。 「表現する」は、走る、触る、何かをやめるなどの、動作や行動、 また、泣く、笑うなど、感情から生まれる表情など。 外から見てわかるものもわからないものもあるけど、そういうの全て。 私は、自分で感じ、考え、表現できる環境を作れた時、こういう瞬間があった時、やりがいを感じます。 でもこの中でも特に、子ども自身が「感じる」ということができる環境をつくれた時に、最もやりがいを感じています。 そして、「感じる」ということがとても大切だと思っているのです。 なぜそう思うのかを、1つのエピソードを通してお話しします。

長めの木材を手に入れた4才の男の子がいた。 数日前に小学生が小刀で木を削って剣を作っていたのを思い出して、同じことをやりたくなったようで、その子は初めて小刀を使うことになった。 はじめはすごく危なっかしかったが、やっているうちに、削ることが上手くなっていった。 削って木屑がとんでいくのを見て喜んでいたりもして…木を小刀で削ることが嬉しいようだった。 刃が木に引っ掛かってしまって思い通りにいかない時も自分で木を逆さ向きにしてみて、逆から削ってみるということをしていた。自分でやりやすい方法を探って発見しながらやっていた。 男の子は削っている時、こちらからは何も言っていないのに、 「これ(小刀)、無くなってほしくない」と突然言った。 そして、「大事だから」と続けた。 「これが無くなったら、みんな、こうやって削れなくなっちゃう」とも言った。 このできごとに立ち会って私は「なんか、すごいなぁ」と思ったのです。 男の子が自分で小刀を使ってみたいと感じて使ってみたから、使えることが嬉しかったり楽しかったりして…難しいとも感じただろうけど、それ以上に自分にとってプラスに感じたから、その時使った道具が自分にとって大事なものになっているんだなと思いました。 しかも、自分以外の人も同じように大事に思うかもしれない、と、他人の気持ちも考えることにつながっている。 「大切にしようね」と言葉で伝えようとしても中々伝わらないことでも、やりたいことをやって自分で感じたことは、簡単に自分の感覚になるのかもしれない。 自分で「感じる」ということからうまれるエネルギーってすごいなぁ、 自分で「感じる」からこそあとにつながるものって、大きいんだなぁ、と感じました。 そして、「感じる」ことの重みも感じました。 ですから!私は、子どもとの関わり方、用意するもの、置くもの、そこにいる人の雰囲気などの関係性で、子ども自身が「感じる」ことのできる環境をつくる時に、やりがいをとても感じるし、そういう環境をつくっていきたいといつも思って働いているのです。 こういう、子ども自身が「感じている」場面はプレイパークではたくさん見られます(つくれます)。 だから、毎日、いちいちやりがいを感じているとも言えます。

遊びを通して子ども達がたくさん「感じ」て、豊かな日々を送れるように色々と考え、自らのやりがいに結び付けている、ひる。

見過ごしてしまいそうなありふれた日常を、とても輝いた瞬間にできるのが、プレイリーダーの仕事の魅力のひとつなのですね。

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