大岡小5年2組「にじのわプレイパーク」
小学校の総合的な学習の時間(※)を利用して、大岡小学校5年2組の子ども達が1年間かけて地域の遊び場について学んでいます。
現在は、自分たちで遊び場を創って開催する過程とのこと。
子どもが学び、考え、創るプレイパークとはどの様なものなのか気になり、第2回の開催を見学してきました。
場所はぐみょうじプレイパークが行われる弘明寺公園。
子ども達主催の時は「にじのわプレイパーク」として開催します。
9時に生徒が公園に到着し、挨拶の後、早速準備開始。
9:10にはブランコ、9:15にはハンモックが手慣れた手付きで設置完了し、他のコーナーも着々と準備が進められていきます。
担任の今辻先生に今回の学習の経緯をうかがいました。
総合的な学習の時間はテーマを設けると思うのですが、ある程度課題を与えたのでしょうか?
いいえ、全て子ども達が決めました。
いくつか候補が出た中で、一年間通して学ぶ価値があるかも議論しました。
遊び場に関心が集まったきっかけは?
近所の公園でブランコが取り壊され、他に楽しい遊び場もなくつまらない、と感じていた子どもがいたことです。
他にはどんな案が出たのでしょうか?
近くを流れる大岡川の博物館など、自然派の意見が多かったです。
そんな中プレイパークに決まった
地域の遊び場を見て回ったところ、倉庫に貼ってあるチラシを見付けました。
実際に遊びに来てみたらとても楽しくて!地域の方が作っている遊び場ということを知り、自分たちもやってみたい!という流れになりました。
広報活動の大切さを改めて感じます。学習を進める上で大変だった点は?
たくさんあります。ただ遊びを考えるだけでなく、開催のための手続きについて学ぶ必要があった点もそのひとつです。みなみ遊ぼう会・プラネット(ぐみょじプレイパーク運営団体)、南土木事務所など、色々な方にお話しをうかがう機会を設けました。
「にじのわ」という名前の由来は?
下見で遊びに来た時に太陽の周りに虹の輪が出来ていたことと、大人も子どもも色々な人が輪になりつながれる場所になる様にという願いを込めて、子ども達がつけました。
素敵ですね!虹色の様な様々な学びが得られます様に!ありがとうございました。
お話しをうかがっている間、準備が終わった所から順次開園しています。
ハンモック、ブランコ、シャボン玉、たき火、ハロウィン工作等々、様々な遊びが用意され、それぞれに担当が決まっていました。
ロープの結び方を学び、枝や石など危険を確認し、シャボン玉液の配合を調べ、身近な素材を使った工作を用意し、準備は万端の様子。色々と考え、相談を重ねたことがうかがえます。
ただ、早い時間帯は来園者もまばらで、担当コーナーに人が来ないと呼び込みをしていたり、小さい子相手だと思わず直ぐに手助けしていたり。
イベント的な雰囲気が濃い中、時間が過ぎていきました。
しかし、徐々に場がほぐれてくると、遊びを提供していた小学生たち自らも遊び始めました。
すると、楽しそうな雰囲気を感じて、他のコーナーの小学生や小さな子が近寄ってきます。
教えてあげたり、代わってあげたり、一緒に遊んだり。
あちこちのプレイパークで見る光景です。自然な生き生きとした表情が広がっていきます。
子ども達はきっと、遊びの形が変わっていったことに気付いていないと思いますが、「いいな」「楽しそうだな」と思える空間になっていました。
最近遊び場がつまらないと感じた感性と、それを何とかしたいと動いたパワーがプレイパークとつながり、多くの大人を動かし、子ども達なりのプレイパークを創り、たくさんの笑顔を生み出したのです。
勉強でも遊びでも、自分が楽しい、大切だと思うことのために動いた経験は、かけがえのないものになるはずです。
そして私たちもまた、プレイパークを守っていく仲間を求めて、動いていく立場でもあります。
遊びを提供することと、きっかけを作ることの違い。
「自由にあそぶ」を伝える難しさ。
遊びの大切さを伝える方法。
様々な方面と手を繋いで行こうと模索する中、子ども達の活動を見て、プレイパークが大切にしたい点、必要な力を改めて確認させられました。
※学習概要については、文部科学省サイトを参照
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/syo/sougou.htm